ETロボコン2015参加チームの皆さん、こんにちは。
さて、先週は「ひと手間編」を公開しましたが、今回は、提出モデルで一番伝えたいことは何か(どこに書いてあるか)、一目で分かるようにする強調のテクニックを解説します。
- 【フォント編】 第一印象は全ての始まり、そのフォントで大丈夫?
- 【レイアウト編】 流れを見せるレイアウト、見てほしい順序で視線を動かすレイアウトとは
- 【強調のテクニック】 一番伝えたいことは何?、強調のテクニック
- 【ひと手間を大事に】 見た目を決めるのはそのひと手間、画像とレビューを侮るなかれ
- 【おまけの資料集】 これを読んだらあなたもデザイナー? お薦めの資料集
知恵を尽くして仕上げた設計モデル、一番言いたいことは審査員の皆さんが汲み取ってくれるはず!と思っている方、居ませんか。現実は厳しいのです。ETロボコンでは、参加チームの数だけ審査対象のモデルがあります。審査員の皆さんはコメントも付けるため、相当な時間をかけて各チームのモデルを審査します。そんな時、言いたいことが明確に表されているモデルを見たら、審査もスムーズに進むでしょう。
テクニックと書くと大げさですが、日頃から皆さんが自然に使っている方法で十分強調できます。(このテクニックはフォント編やレイアウト編で実践した内容と重複する項目もあります。)
- 枠で囲う
- 背景色を付けたり、変えたりする
- 図、写真を用いる
- 位置をずらす
- 結論を先に書く
レイアウトでの強調を試してみましょう。
左は素直に文章で意気込みを綴ってあります。右にも同じ内容が書いてありますが、結論(完走を目指す)を最初に置いて枠で囲ってあります。チームが何を目指しているか(分かってほしいことは何か)が明確ですね。
- 太字(Bold)にする
例えば、見出しだけを太字にすると、見出しが先に目に入り、拾い読みしてもらえます。 - 斜体(Italic)にする
フォントによっては斜体(イタリック)にすると線が細く見えたり判別しにくくなったりするため、斜体にした状態で印刷して確認しましょう。 - 違う書体(フォント)を使う
目立ちやすい書体を使う方法もありますが、例えば明朝体で統一した(きちんと見えるモデルの)中に丸みのあるカジュアルな書体が混ざることで全体の印象も変わりますので、トーンを揃える方が無難かもしれません。 - サイズを変える(大きくするのがよくあるやり方)
これはオフィスアプリケーションのテンプレートを使うと自動で設定される項目なので、一番簡単で分かりやすい方法です。 - 色を変える
レイアウト編にもありましたが、色の数を多くしすぎると散漫になりますので、三色程度に絞りましょう。また、ユニバーサルデザインを意識する場合、「赤」や「緑」は人によって判別が難しい色のため、避けると良いでしょう。 - 文字に背景色を付ける
- アンダーラインを使う
では、文字の強調を試してみましょう。
右には、1. 太字、4. サイズを大きくする、5. 色を変えるを適用しています。左と比べると、伝えたいことが何か一目で分かりますし、「完走したい!」という意気込みが伝わってきますね。
- 強調するポイントを間違えない
- 強調する箇所を絞る
- 強調のテクニックを使いすぎない
(例えば、一つの段落の文章を全て太字で書いた場合、強調している点がないことになります)
ちょっと困った例も載せてみます。画像は左右どちらも同じ文章と配置になっています。
左に比べて、右に目を引かれるのは確かですが、カラフルすぎたり太字ばかりになっていたりで、どこが一番伝えたいことなのか(アピールポイントなのか)、反って分からなくなっています。しかも、目に付く赤色は「小さいロボットでも動いた時はとても嬉しかった」に使われていますが、ここは意気込みではありません。本当に伝えたい内容を絞って、そこを最も目立たせるようなレイアウトや文字を工夫してみてください。
今回は最終的にこんな形になりました。
次回はおまけの資料集をお届けします。
「ETロボコン提出モデルをブラッシュアップ 【りりぃメソッド:強調のテクニック】」への1件のフィードバック