2016年12月12日-13日に開催された、第14回クリティカルソフトウェアワークショップ – 14th Workshop on Critical Software Systems(14thWOCS2)で、弊社チーフエンジニアの高井が一般枠で講演し、優秀な発表者に送られる「最優秀賞」を受賞しました。
クリティカルソフトウェアワークショップ(WOCS2)について
宇宙・航空、医療、鉄道、自動車などのミッションクリティカルなソフトウェアの開発・運用・保守に関する技術やプロセスに焦点を当てた、産・学・官の枠を超えた技術者・研究者の情報交換の場として、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が毎年共催しているワークショップです。昨年で第14回を迎えました。14thWOCS2公式サイト:http://www.keiso-comm.com/14wocs2/index.html
受賞講演
「ソフトウェアの受け入れテストに対するゴール構造化表記法を用いた効率化の取り組み」

講演概要
介護ロボットなど、あまり前例がなく、且つリスクの存在が予想される新しいシステムの受け入れテストの妥当性について、そのシステムの導入者にも判断可能な説明文書を構築する手法の提案発表です。
説明文書は、近年産業界でも注目されている、安全性に関する論証を構造的に記述する表記法「ゴール構造化表記法(Goal Structuring Notation, GSN)」(*1)を応用して構築し、構築した説明資料に対して、自動的なテスト結果の反映も可能であることも示します。概要(.pdf)は、こちらからご覧になれます。
*1) GSNに興味のある方、GSNの描画ツール「astah* GSN」を50日間無償でお試しいただけます。GSNの基礎や応用例なども動画で紹介しています。
受賞コメント
この度、14thWOCS2において、最優秀賞を頂きまして大変光栄に存じます。
本研究は、説明のためのモデルという技術を、開発者だけでなく、利用者自身でも活用できるのではないかという思いから始めたものです。まだまだアイディア段階で、実用性の評価はこれからですが、ツールによる自動化を目指し、その考えをデモンストレーションしたことにより、ワークショップに適した話題提供ができたことがもしかしたら評価いただいたのかなと思います。

チェンジビジョン
チーフエンジニア 高井利憲
匿名の査読者の方々からは、私どもの提案に足らない視点の的確な指摘や、今後の方向性に関する非常に有益なご助言を頂きました。また、発表草稿の執筆にあって、多くの方々にアドバイスやコメント、情報提供頂きました。ここに感謝いたします。本研究は、福井県の産学官金連携技術革新推進事業補助金による事業の一環として実施されました。
関係者の方々にお礼申し上げます。
最後に、WOCSを主催し、私どもに発表の機会を与えていただいたIPA及びJAXAの方々に御礼申し上げます。今後は評価実験を実施するなどし、頂いた賞に真に値するような成果が得られるよう研究開発に邁進してまいります。