ETロボコン提出モデルをブラッシュアップ【りりぃメソッド:ひと手間編】

ETロボコン参加チームの皆さん、こんにちは。
読みたくなるモデルを描くコツ「りりぃメソッド」を解説する連載の四回目はひと手間編です。

  • 【フォント編】 第一印象は全ての始まり、そのフォントで大丈夫?
  • 【レイアウト編】 流れを見せるレイアウト、見てほしい順序で視線を動かすレイアウトとは
  • 【強調のテクニック】 一番伝えたいことは何?、強調のテクニック
  • 【ひと手間を大事に】 見た目を決めるのはそのひと手間、画像とレビューを侮るなかれ
  • 【おまけの資料集】 これを読んだらあなたもデザイナー? お薦めの資料集

smarter2 りりぃメソッド:ひと手間を大事に

A3サイズの用紙に印刷して提出するモデルは、小さな気配りで見た目が大きく変わります。提出モデルに限らず、自分以外の誰かに見せる(見てもらう)文書を作る際、実はとても大切なのが仕上げにひと手間かけることです。今回の記事ではそのひと手間ポイントをお伝えします。

smarter2 拡大してもぼやけない画像?

提出モデルには何らかのモデル図を画像で載せることが多いです。チームによっては拡大、縮小で画像がぼやけてしまっているモデルがあり、非常にもったいないです。拡大・縮小で劣化しない画像ファイルを使いましょう。
画像ファイルは主にラスタ画像とベクタ画像に分けられます。

  • ラスタ画像: PNG、JPEG、GIF、BMP、TIFFなど
  • ベクタ画像: EPS、SVG、EMF、WMFなど

ラスタ画像はドットを集めて絵を表現したもので、BMPやPNG、JPEGがこれにあたります。ベクタ画像は座標の点を記録し、それを線でつなげることで絵が形作られています。拡大しても輪郭がはっきりとしてぼやけないのはベクタ画像です。直線や曲線を中心として構成されるモデル図は、ベクタ画像で貼り付けましょう。ETロボコン参加チームなら誰でも使える astah* professionalでは、ベクタ形式として EMFとSVGで画像出力できます。(実はastahはコマンドラインからも画像出力できます。) 例えば提出モデルを Microsoft PowerPointで作成していればEMF形式が、Adobe Illustratorで作成していればSVG形式がお勧めです。

zoomin_png       zoomin-emf

一方、ラスタ画像は小さな点を多数組み合わせるため、繊細な色合いを大切にしたい人物や風景などの写真に向いています。美しい写真を載せたいチームはラスタ画像を使ってみましょう。(ただしこの場合は、印刷時に美しく再現されるサイズを用意してください。

smarter2 アスペクト比を守る

矩形の縦横(長辺と短辺)の比率をアスペクト比と言います。画像や写真、イラストを使う場合、縦横の比率を変えてしまうと見え方がおかしくなります。Microsoft PowerPointに挿入した画像や写真を右クリックし「図の書式設定」ダイアログを表示すると、[サイズ]に「縦横比を固定する」という項目があります。ここにチェックが付いていると、縦横比を保ったまま拡大・縮小できて便利ですよ。

fix_aspect

smarter2 レビューを侮るなかれ、チームメンバとアドバイザ

モデルが仕上がったら、必ずレビューの時間(見直しですね)を設けましょう。チームメンバの誰かが提出モデル全体の仕上げを担当したなら、まずそのメンバが自己レビューを実施します。

  1. 自己レビュー
    誤字脱字、必要項目の抜け漏れ、フォント、レイアウトなど、モデルの内容そのものではなく体裁に関する部分は自己レビューの段階で徹底的にチェックしましょう。
  2. チームメンバ全員でのレビュー
    モデルとして表現したい内容が描けているか、一番伝えたいポイントが明確になっているかなど、提出モデルとして仕上がっているかを中心にレビューしましょう。
  3. 先輩や上司、先生など、チームの外に居るアドバイザのレビュー
    チームの状況をあまり知らない人にレビューをお願いすると、メンバでは気づかないポイントが挙がってきます。それは自分たち以外の人がどのようにモデルを見るかを知る良いチャンスです。

smarter2 レビューポイントを明確に

チームの外に居るアドバイザにレビューを求める場合、何をレビューしてほしいのかきちんと伝えることで、レビューの目的を明確にできます。誤字脱字をチェックしてほしいのか、モデルとしての正しさを見てほしいのか、色や配置に関して思うところを述べてほしいのかで、随分見方は変わります。レビューの目的を定めておかないと、チームメンバが見てほしいところとレビューする人が見ようとするところがずれてしまい(認識のずれ)、お互いにとって有益なレビューにならない場合があります。

smarter2 ファイル形式にもこだわりを、PPTより PDFが確実

Microsoft PowerPointはプレゼンテーション資料を作るには適したアプリケーションです。しかし、ppt(pptx)のままでファイルをやり取りした場合、PC環境によって再現の度合いが変わります。ppt内で使用しているフォントが相手のPCにインストールされていない場合(特殊なフォントを指定しているなど)、別のフォントに置き換わってしまうため、美しく設定したはずのレイアウトがずれてしまうことも考えられます。

ppt-pdf

OSを問わずレイアウトを再現できるファイル形式のPDFにすること、さらにフォント埋め込みが不可ならビットマップに変換するオプションをチェックするようにして、自分たちに見えている文書のまま、審査員や来場者に見てもらえるようにしましょう。PowerPoint 2010で、ファイルから「名前を付けて保存」、PDF形式を選択し「オプション」ボタンを押下すると表示されるダイアログです。フォント埋め込み不可ならテキストをビットマップで保存できるオプションがありますね。

pdf_option

今回のチェックポイントは四つでした。

  • モデル図にはベクタ画像を使う
  • 画像や写真のアスペクト比は固定する(変えない)
  • 自己レビュー ⇒ チーム内レビュー ⇒ アドバイザレビュー
  • モデルはPDFで提出する

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