自動車、航空宇宙、鉄道、ロボットといった産業分野で実践されているMBSE(Model-Based Systems Engineering:モデルベースシステムズエンジニアリング)については、オンラインメディアで多くの記事が公開されています。また、ソフトウェア業に携わる人々にとって馴染みのあるIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)からは、2013年8月に「モデルベースシステムズエンジニアリング導入の手引き」が公開され、それ以降、IPAのセミナーやワークショップも度々開催されてきました。MBSEに関する知識を学び、理解を深める段階で、実際の業務に近い内容の図やモデルを参照できれば、実践へのステップが進むことでしょう。しかし、MBSEが適用されているのは大規模で複雑、高い信頼性、安全性が求められる分野で、実例はあまり公開されていません。
そこで、チェンジビジョンでは日々の暮らしに身近な家電の開発プロジェクトを例に、MBSEの流れやモデルの役割を解説する資料を用意しました。本資料に登場するサンプルモデル図は、全て自社製品であるastah* System Safetyで描画したものです。PDFの資料とサンプルモデルファイル(astah独自のファイル形式)は、どなたでも無料でダウンロードできますので、MBSEを学びたい、安全分析設計論証の例を知りたい、SysMLやGSNのサンプルを見てみたい、といった方々は、ぜひご活用ください。
astah* System Safety 利用イメージ
MBSEと、安全分析から論証のサンプル
一般家庭で使われる電気ケトルの開発プロジェクトを例として、MBSEの流れや関わる人々の役割、安全分析から論証でどういったモデルを活用するかについて解説する資料です。
こんな方に読んでほしい
- MBSEの効果を理解しており、実現の手段を求めている方
- 特に安全性が重要な製品やシステムの企画・設計・開発に携わる技術者で、ツール利用を検討している方
- astah* System Safetyで具体的にどのようなことができるのか知りたい方
資料を読むと分かること
- 異なる役割を担う人々の間で、図上で安全性に対する認識・理解を共有できること
- ツールを利用することで、開発するモノやシステムの詳細を明らかにし、図として見える形にできること
- astah* System Safetyで描画できる図、表現できるシステムの側面
目次とサンプルモデル図
- 開発対象システムを明らかにする
- SysML:ブロック定義図、内部ブロック図、ユースケース図、シーケンス図、要求図、要求表
- システムの安全性を分析する
- STPA:アクシデントハザード安全制約表、コントロールストラクチャー図、UCA表、ロスシナリオ表、対策表、
- SysML:要求図
- 安全設計を記述する
- 安全設計の整合性を確認する
- SysML:ブロック定義図、アクティビティ図、ステートマシン図
- 各専門分野の技術者視点から要求を記述する
- SysML:ブロック定義図、内部ブロック図、パラメトリック図
- 安全性についての論証をする
- GSN
- まとめ

登場する専門分野の技術者たち
家電に限らず製品開発プロジェクトは、様々な技術者がそれぞれ役割を担って進められます。例えば、対象となるシステム、今回の例では電気ケトルのコンテキストを明らかにする場面では、要求アナリストとシステムエンジニアが協力します。
ご自宅にある電気ケトルを使う場面を想像してみてください。熱湯に触れることなく給湯できること、本体が倒れた際に熱湯がこぼれないこと、ケトル内の水が空になったらスイッチが切れることなど、安全への様々な配慮があることが分かります。
- 要求アナリスト
- システムエンジニア
- 安全技術者
- ハードウェア技術者
- ソフトウェア技術者
- 電気技術者
- 熱関連技術者
- 水流系技術者
資料のダウンロードから、サンプルモデルファイルを開くまで
こちらの説明は、ダウンロード申し込み後に送信されるご案内メールにも記載がありますが、事前に詳しい手順をご覧になりたい方に向けてお知らせします。
ダウンロードする
- ダウンロード申し込みページにて、フォームに入力し「送信」ボタンをクリックする
- ご案内メールに記載されたリンクより、資料および、サンプルモデルファイルをまとめたzipファイルをダウンロードする
zipファイルには、次の二つのファイルが含まれます。- PDF「astah* System Safety 利用イメージ」
- electric_kettle_system_sample_model.axmz
(資料に登場する全てのサンプルモデルを含むastahのファイル)
astah* System Safetyをインストールする
- astah* System Safety製品評価を申し込む(メールにて試用ライセンスが届きます)
- astah* System Safetyをダウンロード、インストールする
- astah* System Safetyを起動し、試用ライセンスを設定する
- サンプルモデルファイルを開く

サンプルモデルファイルを開いてみましょう
ファイル名称:electric_kettle_system_sample_model.axmz
サンプルモデルファイルを開くと、左上の構造ツリーというビューにSysMLモデル、SCDLモデル、STAMP/STPAモデル、GSNモデルが表示されます。
- SysMLモデルの+マークをクリックすると、配下に含まれるパッケージ(黄色のフォルダアイコン)が表示されます。
- 各パッケージをダブルクリックすると、配下に含まれるパッケージやモデル、表(各図やモデルのアイコン)が現れます。
- パッケージ「00-概要」で「スライドでの紹介順」(マインドマップ)をダブルクリックして開いてください。資料PDFで紹介されているモデルが、登場する順に上から並んでいます。各モデル名称の右上にあるハイパーリンクのアイコンをダブルクリックすると、該当のモデルや表へジャンプします(表示されます)。