GSN広めよう活動奮闘記〜三菱電機エンジニアリング株式会社様〜

今回はastah*GSNユーザーである三菱電機エンジニアリング株式会社 基板・LSI事業部の新井摩衣子様に、GSNを利用したお客様とのコミュニケーションについての取り組みを記事にしてご紹介頂きました。新井さん、お忙しい中とてもわかり易い記事を作成頂きありがとうございました!

相手のニーズを正確に捉え、またお互いの認識に齟齬なく合意形成を図るために有益な表記法であるGSN。採用の目的や具体的な利用方法について簡潔に纏まっているので興味のある方は是非読んでみて下さい!

GSN広めよう活動奮闘記

著者:新井摩衣子(三菱電機エンジニアリング株式会社)

みなさんは、システム開発を行う上で、お客様との合意が得られたつもりでも、実際は合意が得られていなかったり、作業の頻繁な見直しに対応できないといった経験はありませんか?今回は、現業務3年目の私がGSNを適用することにより、お客様と打ち合わせを成立させることができた方法を

  • GSNの運用形態(ユースケース)
  • GSNを適用する前の課題
  • GSNの適用例
  • GSNの効果

の順番で紹介します。

■ GSNの運用形態(ユースケース)

下図が私とお客様とのやりとりを表現したユースケース図です。

Picture1.png

  • ステップ1:自社内での業務の進捗・内容をGSNで整理する
  • ステップ2:GSNで作業内容・作業が発生した根拠などの情報を、進捗とともにお客様に報告する
  • ステップ3:お客様からステップ2の情報で作業の必要・不必要の判断や、作業内容に対する疑問や指摘をいただく
  • ステップ4:お客様からの疑問や指摘をGSN内に反映、自社内に展開しフィードバックを行う
  • ステップ5:フィードバックした内容をお客様に再度確認いただき,作業内容の合意を得る

下図はフローチャートにしたものです。
Picture2.png

この進め方で業務を行っています。

■ GSNを適用する前の課題

このように進捗管理にGSNを適用した背景として、GSNを適用するまでには以下のような課題がありました。

  • お客様のニーズをうまくとらえることができていない
  • お客様の合意が得られたつもりでも実際は合意が得られていない
  • お客様からの仕様変更や仕様追加などによる作業見直しの発生に十分な対応ができていない
  • お客様との意思疎通がうまくとれない

上記で示した運用形態でGSNを適用してから、お客様との2回目以降の打ち合わせがスムーズに進められるようになりました。これは上記のような課題が解決されたからだと思います。GSNをゼロから書き始めるのは難しいことかもしれませんが、「進捗管理に適用する」というテンプレートがあれば、GSNは読み書きが簡単で、合意することができる特徴をもっています。

「どうして進捗管理をガントチャートにしないの?」と思う人もいるかもしれませんが、私が関わるほとんどのプロジェクトでは、1週間で変わるお客様のニーズに柔軟に対応するためのアジャイル開発を採用していて,ガントチャートでは1週間単位の変化に対応すること自体に大きな作業コストが掛かり、変更の経緯や根拠を残すことが難しいため,GSNを適用することにしました。

■ GSNの適用例

では、進捗管理にGSNを適用した例についてお話します。

前述のステップ1では、自社内で作業内容への疑問や必要な作業の追加などを検討し、検討結果をGSNへ対策として反映し,お客様に説明を行います。下図は作業内容と進捗管理を定義したGSNの例です。


(クリックすると拡大します)

ここでは、以下のように進捗管理をおこなっています。

お客様のニーズに対応:お客様のニーズをヒアリングし、S2の下にできることを定義する(G9、G10、G11)

  • 作業が発生した根拠:G10の根拠としてC4内にお客様からの指示であることを明記する
  • 作業が中断した理由:G11を中断した根拠としてC5に中断した理由を明記する
  • 自社内での制約:C3に開発対象とする仕様書の定義をする
  • 作業内容の定義:開発を行うにあたり、必要と結論付けた作業をSnとして定義する
  • 作業の進捗状況:Snに色をつけることで作業の状況を表現できるようにしている

例えば前述のステップ3において、C5でG11の代わりとして「作業●●」の指示をうけたという想定をしています。このとき、作成したGSNを見ると、「作業●●」が反映されておらず、作業項目が不十分であることが分かります。ここでGSNによって●●の作業を再考しなければいけないことが分かります。

■GSNの効果

GSNを適用したことによって、次のような効果を実感しています。

  • 根拠が書いてあるので、なぜこの作業が必要なのかがわかる!
  • 色をつけることで分かりやすく、記憶に残りやすい!
  • 無駄な作業が一目でわかる!
  • 進捗も把握しやすい!
  • 会議に出席していない第三者が後から見ても理解できる!

今回のようなプロジェクト運営だけでなく、仕様定義などへもGSNを適用しており、開発作業を効率的に運用できています。

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