インターンシップ参加を迷っている君へ ~高専生による企業インターンシップ参加レポート~

(※本記事は2022年度夏季インターンシップに参加した福井工業高等専門学校4年の大坂勇陽さんによる寄稿です。)

私は、今年の夏、8/29~9/1の四日間でインターンシップとして「LED-Camp」に参加しました。この記事では、どのようなきっかけで参加したか、インターンシップを通して学んだことについて紹介することで、自分と同じように企業インターンシップ参加を迷っている人でも大丈夫ということを伝えたいと思います。

福井高専におけるインターンシップの位置づけ

福井高専では、4年生の4月上旬、初めて先生からインターンシップの案内があり、5月初旬にはインターンシップの希望を出さなければいけません。インターンシップそのものは卒業単位には含まれませんが、キャリア形成において重要な実務体験ができるため、全員参加が基本とされていて、研修日誌と学内の発表会や報告書で評価されます。

先輩からの助言がインターンシップ参加のきっかけ

3年生の11月、企業訪問でチェンジビジョンを初めて知りました。その後、インターンシップでどこに行こうか迷っていたとき、仲のいい先輩に話を聞いてみることにしました。先輩は昨年チェンジビジョンのインターンシップに参加しており、いろいろな学びがあった、貴重な体験ができたという話を聞いたのが参加を決めた一つの理由です。ただ、行きたいと思った一番の理由は、「今年は現地開催で温泉に行けるよ」(昨年はオンライン開催でした)というインターンシップ参加の動機としては弱いものでした。

全体スケジュール

まず、チェンジビジョン(福井オフィス)で福井高専からの参加者4名と担当者の方との顔合わせがあり、会社の紹介やキャリアデザインについてのお話を聞きました。 自分たちはLED-Campが始まるまでに事前学習もしました。

LED-Camp10 全体スケジュール

合宿の始まりは、四日間を共に過ごすチームを組むためのチームビルディングです。次の「みんなでScrum!」では、初めてアジャイル開発を学び、チームで開発を進めていくときのコツとやり方を教えてもらいました。

モデル駆動開発では、実際にモデリングをしてLED-Tank(左画像)という車のような形のロボットを動かしました。チーム開発実習では、競技会で披露するためのものづくりを二日間に分けて行いました。最後の発表会では、いろいろな企業の方を前にその内容を発表しました。 そして今コンテンツ制作ワークショップに参加して、記事の書き方を学び、この記事を書いています。

LED-Campとは

LED-Camp公式サイトから、紹介文を引用します。

LED-Campは、組み込みシステム開発の初学者や未経験者、組み込みシステムに興味のある方を対象とした、合宿形式の勉強会です。若手の社会人の方や学生が一堂に会し、組込みソフトウェア開発の基礎を学びます。今年のLED-Campでは、LED-Camp7で使用したTank型ロボット「LED-Tank」とLED-Camp9で使用したシミュレータの2つを教材に使用します。 実習ではastah*を使用して設計したUMLのモデルから制御プログラムの記述を自動生成するモデル駆動開発を体験します。またアジャイル開発手法に沿った組込みソフトウェア開発を行い、チームで課題を解決していきます。実習はチーム開発の形式で進行するため、プロジェクトマネジメントに興味のある方、開発現場でチームを率いる予定のある方の参加にも適しています。

2022年のLED-Camp10

  • 日程:2022年8月29日(月)~9月1日(木)
  • 会場:下呂温泉 木曽屋
  • 参加者:9名(他に運営や実行委員の皆さんがいらっしゃいました)

一昨年のLED-Camp8は新型コロナウイルス感染症の影響によって中止となり、昨年のLED-Camp9はオンラインでの開催だったため、LED-Camp10は3年ぶりに参加者が現地に集合して開催されました。

四日間を通して得られた学び

チームづくりは共通点を探すことから

私たちのチームは「元サッカー部」という名前でした。3人とも小中学校や高校でサッカー部員だったからです。チームを組む際は全員が初対面だったため、自己紹介として共通点を探し出すことでお互いを知ることもできて、チーム名も決められてこのやり方は良かったと思っています。
チームのルールは「半スプリントでスケジュール再調整」、「ふりかえり会をしっかりやる」、そして一番大事にしたことは「思ったことは口に出す」でした。メンバーのことを知って仲良くなることで何ごとも口に出せるのではと考え、緊張していたものの頑張って声をかけたり、何気ない会話をしたりしました。
チーム開発実習の際も「ここが分からないから教えてほしい」や「こうした方がもっと良くなるかも」といったように、思ったことを口に出すことで開発がスムーズに進むようになった気がしました。言いたいことを言えない環境では、心の中で間違っていると分かっていても言い出せずにダラダラと進んでしまう可能性もあるので、コミュニケーションの大切さを身をもって実感しました。

タスク作成、時間管理、スプリント、困難だらけのチーム開発

初めてのアジャイル開発では、タスクの作成や管理の難しさがありました。決められた時間で開発するスプリントが6回ありましたが、第1スプリントではやることを決めたにも関わらず、すべきこととは違う内容をメインで進めていたり、第1スプリントでは終わらなかったりとタスク作成の甘さが出ていました。また、やりたいことに時間をかけたがためにふりかえりの時間まで開発してしまい、時間管理もできていませんでした。これらの反省を活かし、第2スプリント以降は一つ一つ改善していくことで、より上手くアジャイル開発を進められたのではないかと思っています。

聞き手を意識したプレゼンテーションへの変化

最後の発表会でいろいろな企業の方たちにプレゼンテーションするために、「プレゼンテーションのいろは」として、「聞き手を意識する」、「視覚的に分かりやすくする」といったことを学びました。 高専の授業ではプレゼンテーションやパワーポイントのスライドを作ることがあまり無かったので、とても勉強になりました。今まで作っていたスライドは文章を長々と書いて、それを淡々と読むだけの発表でしたが、発表の仕方やコツを学んで発表会や学内の報告に活かすことができました。

不安が自信に変わるインターンシップ:これから参加を考える君へのメッセージ

私は今回のインターンシップで、自分に自信がつきました。なぜ自信につながったかというと、やはりチームメンバーと一緒に一つのものを作り上げたということ、そこで自分も役に立てたことが理由です。

インターンシップ参加のきっかけは「下呂温泉に行きたい」という気軽な気持ちで、始まるまでは不安しかなかった自分が、初対面の方々とチームを組み、アジャイル開発を実践し、チームの一員として役に立ち、発表まで完遂できました。一つのプロジェクトをチームの力で完成させたような達成感が自信につながりました。 不安な気持ちいっぱいで参加した私も、自信に変わるようなインターンシップを経験できました。インターンシップ参加を迷っている人は、ぜひ関心を持ったインターンシップに参加してみてはどうでしょうか。

参考リンク

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