PlantUML Pluginが世に出るまで、企画者インタビュー

5月14日に公開したastah* PlantUML Plugin、既にお使いになった方も、これから使おうとお考えの方もいらっしゃることでしょう。今回は、普段のastahブログとは違って、この企画の始まりとそれに関わったチェンジビジョンのメンバーについて、インタビュー形式でお伝えしたいと思います。本プラグインを企画し、その開発を率いたのはPlantUML Pluginリリース時のブログにも登場した藤戸貴大(ふじとたかひろ)です。彼が話すプロジェクトの始まりから現在までの道程を、どうぞご一緒にお楽しみください。


Q: 普段はどのような業務に携わっていますか?

藤戸:我々が「案件」と呼んでいる特定のお客様(自動車業界)とのソフトウェアやシステムの開発プロジェクトです。実装もしますが、それだけではなく、お客様の要望を伺って実現できる方法を提案したり、開発の進行に応じてその後の展開を調整したり、もちろん設計に携わることもあります。調査、設計、実装、検証など、内容を限定せず、プロジェクトのねらいを捉え、プロジェクトを前に進めるために必要なことをやっている感じです。

 

上司の一言に背中を押された、企画の第一歩

Q:PlantUMLを取り上げた経緯を教えてください。

藤戸:世の中にUMLの図を描く(描ける)ツールはいろいろありますが、私自身は、モデルと作ることと図を描くことは別だと考えています。PlantUMLはテキストでUMLを書ける言語で、所定の形式で記述されたテキストを画像に変換する機能があり、UMLを描くために使っていると耳にすることがかなり増えました。ソフトウェア開発に関わる人間にとって、テキストで書ける最大の利点はバージョン管理の対象にできることです。一方、astahのようにモデル情報をきちんと保持できるモデリングツールにも利点があります。PlantUMLとつながることで、astahを使ってくれる人を増やせるかもしれないと感じました。

Q:社内で新規プロジェクトのアイディアが募集されたときに、企画を提出されたと聞きました。自ら手を挙げた、ということですか?

藤戸:上司が「何か考えていることがあるなら、出してみたら」と声をかけてくれました。あの声かけがあって企画は出してみたものの、実際に始まったらどうなるかまでは全く想像していなかったこともあって、いざ決まった時に自分が開発を引っ張ると言われて驚きました。

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三ケ月の短期だからこその難しさ

Q:企画から公開まで順調でしたか?

藤戸:大きなスケジュールは、企画で一ケ月、次の一ケ月で動作するまでの開発、終わりの一ケ月で集中的なヒアリングと改善でした。やろうと考えていること、次にやりたいことやそのやり方は分かっていたものの、私もプラグインの開発を担ってくれた細合さんもこのプロジェクトの専任ではなく、なんとか隙間の時間を作り出してじりじり進めていくような状況で、時間の確保が大変でした。さらに、ヒアリングを始めるとお話を伺う方との日程調整もあって、三ケ月には収まらなかったです。結局、四ケ月弱になりましたが、公開できて良かったです。

 

外部ヒアリングを通して感じたこと

Q:プラグインの公開に向けて進む中で、他企業の方にヒアリングを求めた理由は何でしたか?

藤戸:ひとまずプラグインを開発し、ある程度動作する形にはなってきたものの、実際に開発現場の皆さんが手に取った時、どのように使われるか見えていない部分が大きかったからです。日頃、お客様とやり取りする中で私もモデルを扱いますが、産業分野や職種によってPlantUMLを使ってUMLダイアグラムのどの図を、どのタイミングで何のために使うかという、現実のお話を聞きたいと思いました。最終的に5社からヒアリングのご協力を得られて、日ごろ関わることの少ない業種の方とも意見交換できました。

Q: 何のために使われていたのでしょうか?

藤戸:図を描く目的は設計や自身の理解のためでもありますが、主に「合意形成」でした。コロナ禍も関係していましたが、以前は物理的に同じ部屋で実施していた打合せがほぼオンラインで実施されるようになり、所属もPC環境もUMLやツールに対する理解度も大きく異なる参加者の誰もが、いつでも手軽に使えるものが求められ、PlantUMLの利用が加速したと考えています。また、直近の数年で社内 Wikiサービスやプロジェクト管理ツール、開発環境といった「開発者側のツールと管理者側のツール」の両方がPlantUML記法に対応してきた部分があり、利用者増を後押ししたのだと考えています。

Q: ヒアリングで興味深く感じたことはありましたか?

藤戸:モデルをテキストで書き始める方と、GUIで描き始める方で二極化していました。GUIを好む方は、モデルを置くと同時になんとなくではあるものの位置情報も探っています。一方、テキストを好む方は位置情報に気を取られないようにしていて、要素の少ない図では関係を表す線があれば理解できる、ということを言われていました。テキストを変換した後の図が大きい(要素数が多く、配置で理解を助けたい)ということは、そこに情報を盛り込みすぎで機能やモデルを分割した方が良いと考えるそうです。

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見るものが大きく異なる人たちとの関わり

Q:プロジェクトを通して、最も良かったと感じたことは何でしょうか?

藤戸:それまでほとんど関わる機会が無かった人たちと、毎週のように話し、考え、模索する日々を送ったことです。実はプロジェクト開始直後はほぼ社長(チェンジビジョンの社長である小阪)と二人で、とにかく理解してもらうために話し合いを重ねました。相手はソフトウェアエンジニアではありませんし、お互いの役割も全く異なります。今回のプロジェクトで「決める役割」を持たされたことに、当初は戸惑い、「案件」と並行しての取り組みにどちらかと言うと後ろ向きな思いも抱きました。しかし、開発やヒアリングが進む中で、いろいろな立場の多くの方々が協力してくださる様子を目の当たりにして、次第にこのプラグインがどのように使われていくのか、よく見ていきたいという前向きな気持ちに変わっていきました。

Q:最後の質問です。ソフトウェア開発の何に面白みを感じていますか?

藤戸:動くものと、トライ&エラーをバランスよく挑戦できることです。学生時代は情報系を専攻していて、サークル活動としてロボット制作のソフトウェアと回路を担当していたこともあり、実際に動くものの面白さを感じていました。今も動くものに関心はあります。ただ、ソフトウェア開発は作り直しができる良さがありますね。

 

fujito-profile-imageプロフィール

藤戸貴大(ふじとたかひろ)
2018年 福井工業高等専門学校(福井高専) 電子情報工学科 卒業。同年4月、株式会社チェンジビジョンに入社、モデリング事業部にて顧客案件に従事する。ソフトウェア開発を通してお客様、ユーザー、チームの役に立つ存在を目指し、業務に邁進する日々を送る。

 

インタビューを終えて(聞き手より)

一通りの質問を終えた後、藤戸さんは「周りの人が楽しんでいたり、お客様が喜んでいたりする姿を見ると嬉しいです」と笑顔で話してくれました。顧客案件と短期プロジェクトを並行して進めるハードなチャレンジで、藤戸さん自身が多くの方と関わり、考えを深め、物事を広く前向きに捉える力を伸ばしたのではないかと感じました。
藤戸さん、どうもありがとうございました。


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