フローティングライセンスをご利用いただくには、こちら から配布している実行形式のインストールおよび手順に従った手動でのライセンスサーバーのセットアップが必要です。このような煩雑な手順を手動で行うことなく、Dockerで手軽に運用したい、という要望があったため今回DockerイメージをDocker Hub公開してみました。
なお、サポートにつきましてはRLMライセンスサーバに関する事項のみとし、Dockerに関する設定や運用については対象外とさせていただきますのでご了承ください。
環境構築
通常はセットアップ対象のサーバーにて作業を行いますが、今回は説明のためにローカルのPCにてセットアップを行います。
1. Dockerのインストール
Docker公式サイト にて動作環境に合わせたDocker Desktopをダウンロードし、お使いのPCにインストールします。
2. 各種ディレクトリの作成
作業用ディレクトリを作成し、そのディレクトリの中に以下のディレクトリを作成します。
licenses: ライセンスファイルを入れるディレクトリlogs: ログファイルの出力先tmp: 実行時に生成されるファイル。
これらのディレクトリを Dockerコンテナ起動時にコンテナ内にマウントします。
licenses ディレクトリ下には、ライセンスファイルを配置します。ライセンスファイルの取得は以下のページをご覧ください。
astah*フローティングライセンスの取得方法
logs ディレクトリ下には astah.dlog と astah_usage.log というファイルを作成しておいてください。それらにRLMサーバのログ情報が記述されます。
tmp ディレクトリ下には実行時のプロセス情報等が記録されたファイルが生成されます。Web管理画面へアクセスするユーザー認証情報もここに出力されます。このディレクトリがマウントされなかった場合は、コンテナが再作成される度に初回の管理ユーザーの登録が必要になるので必ずマウントしてください。
3. docker コンテナの用意
- terminal(MacOS, Linux系OS)かコマンドプロンプト(Windows)を開きます。
- 以下のコマンドで docker image をpullします。
docker pull changevision/rlm-server:latest
- 作業用ディレクトリ下で、以下のdockerコマンドを実行します。
Windowsの場合
docker run \
-p 5053:5053 \
-p 5054:5054 \
-p 5055:5055 \
--name rlm-server \
-v "%cd%/licenses/":/license \
-v "%cd%/logs/":/astah_logs \
-v "%cd%/tmp":/var/tmp \
--mac-address 12:34:56:78:90:ab \
changevision/rlm-server:latest
Linuxの場合
docker run \
-p 5053:5053 \
-p 5054:5054 \
-p 5055:5055 \
--name rlm-server \
-v "${PWD}"/licenses/:/license \
-v "${PWD}"/logs/:/astah_logs \
-v "${PWD}"/tmp:/var/tmp \
--mac-address 12:34:56:78:90:ab \
changevision/rlm-server:latest
-v のオプションでライセンスファイル用ディレクトリとログファイル用ディレクトリをそれぞれコンテナにマウントしています。
公開ポートに関してはそれぞれ以下のようになります。
- 5053: RLMサーバの通信ポート
- 5054: RLMサーバのWeb通信ポート
- 5055: ISVサーバーの通信ポート
–mac-address のオプションでDockerが使用するネットワークのMACアドレスを指定しています。このMACアドレスはフローティングライセンスの登録時に、ホストIDという名称で登録しています。Dockerの場合、起動する毎に変わってしまうためMACアドレスを指定する必要があります。指定するMACアドレスはご利用のネットワーク内で一意になるように設定してください。MACアドレスは –mac-address のオプションをつけずに一度起動すると、任意のMACアドレスが割り振られますので、以降はそのMACアドレスをオプションで指定してください。MACアドレスの調べ方はは ホストIDの確認 をご参照ください。
またホストIDを変更する場合は、ライセンスサーバーマシンの変更 から手続きを行ってください。
OSの再起動時に自動的に起動したい場合は –restart=always のオプションを追加してください。
- お使いのWebブラウザで
localhost:5054へアクセスすることで、RLMサーバーがご利用いただけます。ログインを求められる場合は以下のユーザアカウントを使ってください。
- username: admin
- password: admin
登録したいライセンスファイル(*.lic)は作業用ディレクトリの licenses 下においてください。
コンテナ起動後にアプリケーションをCLIで操作したい場合は以下のコマンドを実行し、コンテナ内のシェルで操作してください。
docker container exec -it rlm-server /usr/bin/bash
rlmutil を利用したい場合はコンテナ内 /rlm/ にある rlmutil をご利用ください。
上記コマンドでコンテナ内のシェルで操作する以外にも、以下のコマンドを用いて実行することも可能です (someprogram の部分は利用したいutilを入力してください)。
docker container exec rlm-server /rlm/rlmutil someprogram
具体的なご利用方法は以下のWebサイトをご参照ください。