新人、アルバイトをどう育てるか?ツールベンダーが実践する教育プログラムとそれを支えるCV-Labとは(後編)

ソフトウェア開発やシステム開発のプロジェクトでは、規模が大きくなるほど部門やチームの構成員が100%自社メンバー(プロパーと呼ばれることも多い)であることは少なくなっています。経験豊富な協力企業はもちろんのこと、新人やインターン、アルバイトといった人材を積極的に育成、活用することで業務を完遂する場面が多いでしょう。
今回は前後編の連載として、モデリングツールastah(アスター)の自社開発・販売を事業の中心に据えるチェンジビジョンにおいて、若い世代を主とした新しい人材をどのように育成しているか、その役割を担うCV-Lab(シーブイラボ)とはどんな部門なのか、社員2名(細合晋太郎、木村展仁)のインタビューを通して明らかにします。後編では、社内横断で様々な役割を担うCV-Labについて取り上げました。(前編はこちら)

※社員インタビューですが、会話の様子をお伝えするため、細合さん、木村さんのように敬称を付けた表現を用いています。

新しい人の教育を担うCV-Labの成り立ち

Q:今、新人教育を担っているCV-Labのコンセプトと活動を聞かせてください。

細合:CV-Labは「社内をちょっと便利に」、「未来をちょっと便利に」というコンセプトを掲げています。主な活動は四つに集約できて、社内改善、社外との連携・交流や発信できる成果を生み出すこと、教育(人材育成)、研究開発です。若手を育てる「教育」というのはもちろんありますが、もう一つ「研究」も自分自身がとても楽しんで取り組んでいます。個人的には大学のゼミに近いような雰囲気も感じていて、CV-Labを支えているのはアルバイトの皆さんと言っても良いと思っています。

Q:コンセプトが先にあって始まったのがCV-Labでしょうか?

細合:明確にコンセプトを作ってからというよりも、社員も会社に関わる人もゆるく巻き込んでいって社内横断で活動できたらいいねと、木村さんと話していたところから始まりました。

木村:(うーん・・と思い出す様子)いろいろなことのタイミングが良かったんです。CV-Labが始まる直前は、何人かの学生アルバイトが仕事をこなしてくれるようになって、彼らに業務を割り振ったり、確実な仕事をしてもらったり、ケアしたりといったことにもマンパワーが必要になっていました。
採用については、どういった活動をしていくと先につなげられるか模索が続いていました。チェンジビジョンの規模では、多数の学生を一気に集めて絞り込んでいくようなマスに訴える採用活動は難しいですし、新卒とは言え求めるスキルが高いこともあって、一回の応募(エントリー)で合否を見極めるとなると、さらに困難です。
まずは、密なやり取りができる環境を作っていく、いずれは採用につながるような関係性を育てていく、そうしたやりたいことと、教育や研究、学生対応の経験が豊富な細合さんの存在とが一致してCV-Labが立ち上がりました。

毎週ここに行けば話せる相談部屋、場の継続が定着につながる

CV-Labでは、バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を活用して、毎週一回、社員の誰もが自由に話せる相談部屋を設けています。

Q:毎週金曜午後に設けているオープンルームのねらいは何でしょうか。

細合:CV-Labは全ての作業を引き受ける、何でもやりますではなくて、前回やったことがあればそれを工夫したり、次は違うことをやったりと、関わることに広がりができるようにしたいと考えています。それを気軽に話せる場として相談部屋を開いていて、部門も立場も違う社員が入れ替わり立ち代り3人ずつくらい来てくれますね。例えば、論文を書きたいとか、この案件でこういったモデルを作りたいとか、私と一対一ではなくて、たまたまその日にのぞいてくれた数名で話ができるので、アイディアも出やすいです。いろいろな話を聞ける、話せる場になってきたかなと思います。解決するかどうかではなく、そこに行けば誰かと意見交換できる、アイディアが出るかもと感じられる場が社内には必要だと考えています。
2020年と同時にやってきたコロナ禍により社会全体でリモートワークが推進され、会社の廊下ですれ違う時に交わしていた会話が消えたことをとても残念に思っています。業務の問題解決をしましょうと強い姿勢で臨むほどでもなく、なんとなく近況を話すような機会が減ってしまったので、そういう場を作りたいと思っています。

Q:回数を重ねて、日程もどんな場かも社員に定着したように感じますが、いかがですか。

木村:細合さんに用がある人は、金曜午後に時間が用意されていて、そこで話ができると、社員の間で定着しましたね。

細合:部門に関らず、社員もマネージャーも、社長もCTOも、ふらっとやってきて話していってくれます。もしかしたら、社長席があってもいいかもしれませんね。

木村:面白いですね!

(※バーチャルオフィス空間のoViceには、テーブルや椅子といった事務所らしい造形も用意されています。)

Q:2021年4月の正式な立ち上げから半年ほど経って、これからのCV-Labへの想いを聞かせてください。

木村:CV-Labの担う役割や機能が確実に社内に在り続けるようにしたいです。会社の中に、全方位とつながる場がある状態を継続したいですね。

細合:タイミングをはかって集まってもらって課題を検討したり、プロジェクトで抱えているタスクを分け合ったり、今、僕が仲介しているようなことを社員が自由にできる形を定着させたいです。

木村:社員もアルバイトもみんな目の前の仕事に注力しながら、それ以外にも、こういうことをやってみたい、できたらいいよねといった相談ができて、そこから自然に次の道が出てくるような雰囲気を作っていけたら何よりです。

プロフィール

細合晋太郎(ほそあいしんたろう)

2014年北陸先端科学技術大学院大学 博士後期課程後、九州大学大学院 システム情報科学研究院 学術研究員としてenPiTプロジェクトにて組込みシステムの教育に従事、2016年4月、チェンジビジョンに参画。モデリングツール astahやSTAMP Workbenchの開発および、モデリング技術に関するコンサルティングを担当し、現在はCV-Lab主宰。博士(情報科学)

木村展仁(きむらのぶひと)

事業推進部 部長。2003年、株式会社永和システムマネジメント入社。UMLモデリングツールJUDE(現、astah)の事業化に向け、市場のサーベイ、調査。社内インフラの整備・開発、モデリングツールastahや内部統制支援ツールJUDE/Bizの企画・開発、上場企業向け内部統制コンサルティング等に従事。2008年、財務経理担当に転身。2016年全部部長。現在は、個人個人の真摯な在り方が組織を創るという思いのもと事業運営全般を支える。修士(経済学)

インタビューを終えて(聞き手より)

想いとタイミングが一致して活動が始まったCV-Labと、そこで育ち活躍しているアルバイトの皆さんの様子が目の前に浮かんでくるようなインタビューでした。毎週金曜午後にオープンしている相談部屋は、立場も課題も業務も異なる社員が、ここに行けば細合さんと話す時間を持てると、よりどころの一つになりつつあるのかなと感じました。

参考リンク

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