社内外で様々な活動に携わり、生き生きと輝くエンジニア、皆さんの周りにもいらっしゃいませんか。チェンジビジョンでは、社員が外部の活動に取り組むことを応援し、必要なサポートをしたいと考えています。 毎年夏、組込みソフトウェア開発とチーム開発を学ぶ合宿形式の勉強会「LED-Camp※1(エルイーディーキャンプ)」が開催されています。この勉強会に、大学2年生で初参加した後、学生のまま実行委員となり、チェンジビジョンに入社後も継続して運営に携わっているのが、岩永知裕(いわながともひろ)です。今回のインタビューでは、社外活動を通して得られる気づきや継続の難しさと面白さをお伝えします。
Q: 先日、astah* professionalの新バージョンがリリースされましたね。日頃の業務ではどんなことをされていますか。
岩永:モデリングツールastah(professional、UML、Viewer)の開発や技術サポートが主な業務です。6月末にリリースした新バージョン8.4の開発は苦労も多かったですが、自分のアイディアから搭載された機能(図要素の中心座標を維持する新しい編集モードなど)もあり、リリースできて嬉しかったです。
大学1年のインターンシップ参加が全ての始まり
Q:環境情報学部の学生がツールベンダー入社を決めるまでには、何か転機があったのでしょうか。
岩永:大学1年で参加したプレインターンシップが全ての始まりです。大学に掲示されていた募集案内を見ていたら、当時の先生に「君は参加しなさい」と勧められました。ちょうどキャリアに関する授業があったころで、将来どういう方向に進もうか迷っていたこともあり、三社のインターンシップに参加しました。全て福井県内のIT企業で、うち一社がチェンジビジョンです。その時に初めて受託開発と自社プロダクト開発の違いを理解して、自社開発に強く惹かれた記憶が鮮明に残っています。
Q:大学2年でLED-Campに自費参加されたと聞きました。費用もかかりますし、どのような経緯で参加に至ったのでしょうか。
岩永:そうですね。実は、LED-Campがあることはチェンジビジョンからの案内で知りました。合宿形式で行ってみたいと思ったものの、それなりの費用でもあり、親と相談して参加できることになりました。
実際に参加してみたら、ファシリテーターの方が場の雰囲気をしっかり作られていて発言しやすく、チーム開発実習も楽しくて、もっとやりたいと思ったんです。
参加者から実行委員へ、楽しいから続くLED-Camp運営
Q:学生のまま実行委員になり、現在まで継続されています。何が継続の理由でしょうか。
岩永:やっぱりLED-Campの当日(2016年8月のLED-Camp4は三泊四日の集中合宿で行われた)が本当に楽しくて、また参加したい、もっと関わりたいという気持ちが強くありました。ただ、LED-Camp自体は参加は一回とされていて、毎年新しい参加者を迎える仕組みになっています。期間中に参加者の中から翌年の実行委員を募る場があり、自分も手を挙げてLED-Campを運営する立場になりました。継続できているのは、実行委員の皆さんと一緒にモノを作る楽しさ、開催当日の楽しさがあるからです。年に一度のワクワクするお祭りのように感じています。
Q:学生の頃と社会人になってからでは、違いを感じていますか?
岩永:一番の違いは時間の制約です。平日夜に実行委員の打合せがあり、土日にLED-Camp運営のための開発や準備をしていますが、仕事が立て込むと体力的にかなり厳しくなることもあります。締め切りに間に合わないときは、ヘルプを求めたりスケジュールを調整してもらったりと、他の実行委員とSlackで相談しながら進めています。実行委員同士が良い関係を築けているから、活発にやり取りできています。
Q: LED-Campの活動を通して得られた気づきを教えてください。
岩永:日頃、自分たちが当たり前だと思って使っている用語や取り組みが、他の人たちにとっては未知のものだということ、チェンジビジョンの開発スタイルが標準ではないということです。例えば、astahを開発していると「ステレオタイプ」という用語が頻繁に会話に登場しますが(8.4のリリースノートにもあります)、先日LED-Campの打合せでは「ステレオタイプ」が通じなくて驚きました。そういった小さな事柄も含めて、他社のエンジニアの業務に対する姿勢や開発スタイルを聞く・知るチャンスがあって、自社の良いところや違いも発見できましたし、他社の様子を想像しやすくなりました。
やりたかったことができている、を感じられる毎日
Q:チェンジビジョンに入社して、やりたかったことはできていますか?
岩永:はい、できています。元々、自分のアイディアを形にするのが好きで、自身がエンジニアとしてモノを作ることも、技術で遊んでいるようなエンジニアの皆さんも好きです。大学1年のプレインターンシップで自社開発の魅力に出会い、エンジニアを助けるツール開発に関わりたいという意識で就職活動に臨み、チェンジビジョンを選びました。仕事をしていると難しいことや辛いこともありますが、志望した頃に想像していたような楽しいこともあって、やりたいことができています。これからも自分のアイディアを元に新しい機能を実現していきたいですね。
Q:最後の質問です。ソフトウェア開発の何に面白みを感じていますか?
岩永:自分のアイディアが形になって製品に搭載され、実際に使われることです。4月末に行われたastahユーザーの皆さんとの交流会(参考:「Plugin開発者交流会」レポート)で自分が考えた機能を紹介したら、「それはいいね」と良い反応をいただけて喜びを感じました。

プロフィール
岩永知裕(いわながともひろ)
大学1年時より企業のインターンシップや勉強会に多数参加する中で、チェンジビジョンやLED-Campに出会う。2019年 福井工業大学 環境情報学部経営情報学科 卒業。同年4月、株式会社チェンジビジョンに入社、モデリング事業部にて主力製品astah* professionalの開発に従事する。現在は、プロダクト開発の中核を担う存在に成長し、自社製品ならではの難しさとやりがいを感じる日々を送る。趣味は週5で楽しむボルダリング。
※1:LED-Camp(https://swest.toppers.jp/LED-Camp/)
組込みシステム開発の初学者を対象とし、若手の社会人や学生を中心に参加者を募る合宿形式の勉強会で、組込みソフトウェア開発やチーム開発を実践する場。毎夏、サマーワークショップSWESTに先駆けて実施される。2020年は新型コロナ感染症拡大の影響を受け、延期。2021年は、実機からシミュレータWebots(左画像)へ実習教材を全面移行し、初のオンライン開催を発表。8月30日(月)から9月1日(水)にかけて行われ、モデル駆動開発、アジャイル開発手法を実践する他、チームビルディングやふりかえり等のコミュニケーションも技術習得も目指す。現在参加者を募集中で、7月31日が締め切り。(詳細はLED-Camp公式WEBサイトをご参照ください。)
インタビューを終えて(聞き手より)
「モノを作っている時やコードを書いている時が一番楽しいです。」という言葉から始まった今回のインタビューでは、自分のアイディアを形にする面白さを繰り返し伝えようとする姿が印象的でした。自分の手を動かして、モデルを描き(astahを使うそうです)、コードを書き、時にはキーボードも自作する、作る過程もその成果も楽しむエンジニアの姿がありました。
岩永知裕さん、どうもありがとうございました。
左写真:PC両側に、虹色に光る自作キーボード(きれいな光!)
「自らのアイディアを形にする面白さ、楽しいから続くLED-Camp運営」への1件のフィードバック